高校入試国語における漢字の書き取り

国語の勉強法

こんちには、児玉です。

石川県公立高校入試問題の国語科にはもちろん漢字の読み書きがあり、読みが4題、書きが4題で16点の配点となっている年度がほとんどです。

それを踏まえて、石川県総合模試の国語も、毎回、同様な配点で出題されています。

今、ちょうど手元に令和5年度第2回総合模試の資料がありますので、漢字読み書きの正答率を列挙します。
出題順ではなく、正答率順に並べてあります。

まず、読み。

「蒸す」  99%
「賢い」  97%
「介抱」  78%
「起伏」  65%

「起伏」を正しく読めない人が35%もいるということにも驚きますが、それはさておき、次に書き。

「幸い」  62%
「産卵」  61%
「著しく」 48%
「忠告」  39%

「幸」は小学校3年生で習い、「産卵」の「産」は小学校4年生、「卵」は小学校6年生修了レベルの漢字とされています。
「著」は小学校6年生修了レベル、「忠告」の「忠」は小学校6年生修了レベル、「告」は小学校4年生修了レベルです。
つまり、書きの4題は、すべて小学校で習う漢字から出題されています。

この回の受験者は約3000人。
「著しく」と「忠告」は、どれも半数の1500人以上が「正しく」書けていないのです。

「忠告」については、「忠」を「注」と書いてしまった人も相当数いることでしょうが、それにしてもこのような簡単な漢字で点を落としてしまったのは何故でしょうか。

それには、総合模試の漢字の採点基準がかなり厳しいというのもあるのです。

「幸」には、4本の横棒がありますが、一角目の横棒より三角目の横棒が長いことが採点基準になっています。
(六角目は七角目よりやや長いのが普通ですが、これは採点基準にはないようでした。)
同様に、「告」も二画目の横棒より四角目の横棒が長いことも求められました。

「卵」については、四角目が正しく長めの左払いになっていること。
五角目と七角目を合わせた形が、「阝こざとへん」になっていないこと。

「著」では、六角目の横棒と七角目の左払いが交差する位置までも正しさが求められました。
五角目の縦棒と六角目の横棒、七角目の左払いが一点で交わってはいけないのです。

つまり、縦棒や横棒が一本足りない、一本多いという明らかな間違いだけを見ているのではなく、もっと厳しく漢字をチェックしているのです。

「なんとなく全体の形が書けている」程度の漢字を書いて、合っていると皮算用していた模試の受験生は、答案が返ってきてビックリしたことでしょう。

特に上位校合格を目指している生徒は、この漢字の読み書きでは16点を取らねばなりません。
そして、公立高校入試でも、漢字の書き取りの採点基準はほぼ同じくらい厳しいと思って差し支えないでしょう。

ですから、国語の漢字書き取り練習の時はもちろんのこと、社会であれ英語であれ、どの科目であっても漢字を書く際は、丁寧に丁寧に漢字を書くという習慣を身につけましょう。
国語の漢字書き取り以外なら大丈夫だろうという気持ちで、他の科目の解答に使う漢字を手抜きで書いていれば、結局、それが漢字書き取りで出てしまいます。

それでは、また。

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