本日はムー先生が担当します。
出典、10年分載せます。
ここで、いわゆる説明文について特に見てください。
平成30年度以外、すべて大問1です。
令和5年度
大問1:「初めての哲学」(藤田正勝著)
大問2:「ふたりのえびす」(高森美由紀著)
令和4年度
大問1:「自分の顔が好きですか?顔の心理学」(山口真美著)
大問2:「朔と新」(いとうみく著)
令和3年度
大問1:「ひとりで、考える 哲学する習慣を」(小島俊明著)
大問2:「ハルと歩いた」(西田俊也著)
令和2年度
大問1:「新版 環境とつきあう50話」(森住明弘著)
大問2:「奮闘するたすく」(まはら美桃著)
平成31年度
大問1:「面白くて眠れなくなる植物学」(稲垣栄洋著)
大問2:「こんぴら狗」(今井恭子著)
平成30年度
大問1:「チキン!」(いとうみく著)
大問2:「時間とは何か」(池内了著)
平成29年度
大問1:「プチ革命 言葉の森を調べよう」(ドリアン助川著)
大問2:「茶畑のジャマ」(中川なをみ著)
平成28年度
大問1:「日本語のニュアンス練習帳」(中村明著)
大問2:「げきだん6年2組」(吉野万理子著)
平成27年度
大問1:「漢字に託した日本の心」(笹原宏之著)
大問2:「べんり屋、寺岡の夏。」(中山聖子著)
平成26年度
大問1:「トマトはどうして赤いのか」(稲垣栄洋著)
大問2:「あのクスノキの上で」(中尾三十里著)
説明文のタイトルだけでも、どんな文章なのかは伝わるかな、と思います。
小学生向け説明文の人気ジャンル、つまり小学生でも読みやすい説明文のジャンルして主に思い浮かぶのが、
・環境系
・科学系
・文化系
・歴史系
などでしょうか。
環境系は「地球温暖化」「水質汚染」「ごみ処理」など。
科学系は「AI」「移動手段」「生物の不思議」など。
文科系は「西洋と東洋の違い(家で靴を脱ぐとか)」など。
歴史系は「昭和と令和の違い」「江戸時代の人の暮らし」など。
そこで、もう一度改めて見てほしいです。
説明文に出典されている本のタイトルを。
・・・・・どうでしょう、上の4つのジャンルにあてはまるのが、令和2年度・平成31年度・平成26年度の3年しかないのが分かりますか?
そうなんです。
金大附属中学入試の説明文は、小学生にとって読みやすいジャンルからは出ない傾向にあるのです。
では、どんなジャンルが金大附属中学入試では出るのか。
哲学・心理学・言語学・時間の概念・・・・・
環境系や科学系には、目に見える事象や数値データがある。
文化系には、例えば生活用品など対比対象の視的確認がしやすい。
歴史系には、文献や遺跡などを見て確認できる。
しかし、哲学や心理学、時間の概念は、事象も数値データも文献も遺跡も○○用品もない。
つまり、金大附属中学入試の国語説明文のテーマにおいては、目で確認できないものが出やすいのです。
言語学は、文字を見ることができますが、言語学における文字は記号的役割を論ずることが多いので、概念や理論のジャンル、つまり上記の哲学・心理学・時間の仲間といえます。
言い換えると、抽象的概念を論ずる文章が多いと言えます。
本日は長くなってきたので、そろそろ終わりとします。
ちょっとだけ対策を書きます。
抽象的概念の文章に慣れるには、そういう文章問題を解くというのも一つの手です。
が、いい方法の一つとして、抽象的な言葉の意味を調べることです。
そして、そこから具象化して色々とイメージしてみることです。
ちょっとよく分からないですね。
例を上げます。
たとえば、哲学系のお話によく出てくる言葉「幸せ」。
ここで質問です。
「幸せ」の意味を説明できますか?
・・・・・案外難しくないですか?
なぜ難しいか。
それは、「幸せ」とは抽象的概念を表す言葉だからです。
また、意味を説明する時に、色々と具体例を挙げるかもしれませんね。
「幸せとは、大好きな人に囲まれて生活すること」
「幸せとは、この瞬間が永遠に続けばいいな、って思うこと」
「幸せとは、精神的に平和を感じれること」
「幸せとは、何不自由なく日々を過ごせること」
「幸せとは、金」
なんか変なのが1つ混ざっていますが・・・
このように抽象的概念を、たくさんの具体例で説明することを「具象化」といいます。
また、具象化した言葉の中にも、抽象的概念が沢山ありますよね。
「好き」「瞬間」「永遠」「平和」「自由」等々・・・
抽象的概念を抽象語を使って具象化し、さらにその抽象語の具象化に努める思考を続ける。
ちょっと面倒くさい感じに感じるかもしれませんね。
なので、そういう文章問題を読んで、その際に自然と考える機会を作るのが一番現実的かもしれません。
語ると長くなりそうなので、今日は本当ここまでとします!!
でも、抽象的概念を強める訓練、大事ですよ。
塾でもこういう抽象的概念について、特に金大附属中学受験希望の子には突っ込んで質問しますね。
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