読書は国語の点数アップにつながらない?

こんにちは、村山です。

県内の小中学校は、夏休みに入りましたね。

maru塾夏期講習にもたくさんお問い合わせいただき、特にもりの里校は満席となりました(キャンセル待ちのご予約のみ、受け付けております)。

三口新町校はまだ若干名空きがあるので、お早めにお問い合わせいただければ、と思います。

さて、今日は読書についてです。

夏休みの宿題でも、読書感想文が課される学校も多いでしょう。

もしかしたら、国語の点数が悪いから、この夏でたくさん本を読もう、読ませようと考えている子やお母さんもいるかもしれません。

この読書ですが、残念ながら国語の点数アップには直結しません。

かなり前のブログでも書きましたが、国語の点数アップにおいて必要なのは読解であり、本を読むことではありません。

ですので、

「あなたは国語ができないから読書しなさい!」

という先生がいたら、その先生の話はあまり信用しないことをお勧めします。

ただ、読書が国語の点数アップに全く役に立たないか、と言われれば、私は違うと思っています。

今日は、読書は国語の点数にどう作用するのか、という観点で書いていこうと思います。

村山個人の主観で書いていますので、その点はご了承ください。

まずは、語彙力の獲得

語彙力は、読解においても必要不可欠です。

そういった語彙を増やすのに、読書は一役買ってくれます。

個人的には、特に小説は語彙の獲得に有効だと考えています。

例えば、小説で下のような文章があったとします。

争いがあった地に赴いたが、見渡す限り一面の焼け野原。

この凄惨な光景を前に、私は戦慄した。

特に下の文章。

凄惨、やら、戦慄、やら小難しい言葉が並んでいます。

これだけ読むと、理解できない子もいるかもしれません。

ですが、上の文と合わせて読むと、なんとなくイメージできないでしょうか?

焼け野原、と前にあるから、とにかくひどい光景なんだな、とか。

そんなのを見たら怖かったり、ビビったりするよな、とか。

こんな風に、前後の文章と照らし合わせることで、意味の分からない言葉が出てきても、ある程度類推することは可能です。

ただ、これにもある程度の語彙力が必要です。

上の例文も、焼け野原、や、赴く、などが分からないと、類推することはできません。

「うちの子、語彙力なさすぎて読むことすら難しいわ・・・」

という場合は、見たことのあるドラマや映画、マンガやアニメの原作小説やノベライズから入ることをおススメします。

そういう作品であれば、ドラマや映画、アニメのシーンや、マンガのイラストで、場面の様子は頭に入っているはずです。

頭の中にあらかじめイメージがあれば、なんとなく内容は分かりますし、内容が分かれば、語彙の意味もなんとなくつかめてくるはずです。

小説は、風景や登場人物の容姿、様子といった、本来視覚から得られる情報も、文字を通して表現されています。

そういったものは、読者によりイメージしてもらいやすいように、具体的な描写かつ、様々な語彙が使われていることが多いです。

ですので、あらかじめ頭にイメージが入っていれば、使われている語彙がどういう意味なのか、ある程度類推することが可能です。

幸い、最近は小説原作のドラマや映画も多いですし、逆に映画やマンガのノベライズも盛んです。

お子さんの好きな映画やマンガの小説も、探すのはそう難しくはないのではないでしょうか。

次に、自分の知識、知見を増やす、拡げること

自分の世界を拡げる、とでもいいましょうか。

人は、自分の興味の外側は、知らないことだらけです。

例えば、私は生き物が好きなので、動物園や水族館、昆虫館にはよく行きます。

ですが、芸術には詳しくないですし、あまり興味もない(芸術好きな人、ゴメンナサイ!)ので、分からないことだらけです。

そういう自分の興味の外側に触れる機会として読書は有効なのでは、と思っています。

というのも、この自分の興味の幅が狭い子を最近よく見るような気がします。

例えば、生徒にこういう質問をされたことがありました。

「先生・・・

ザリガニって、何ですか?」

これには私もびっくりしました。

まさか、ザリガニを知らない子がいるとは・・・

でも、よくよく考えると、触れる機会がなかったゆえなのかな、と思います。

この子の世界では、ザリガニに触れることがなかったということでしょう。

こういったように、自分の興味が狭い、世界が狭い子が増えてきているような気がします。

読書は、自分の興味の幅、世界を拡げてくれるものだと思います。

知っていることが増えれば、文章の理解もしやすくなります。

理解が深まれば、それが読解の助けにもなります。

先にも書いたように、読書は、国語の点数を上げる直接の効果はほとんどないです。

ですが、全く意味がないわけではありません。

読書が好きな子はそのままたくさん読んでほしいですし、逆にしない子はぜひなんでもいいので、読んでほしいと思います。

できれば、今まで自分が興味を持てなかったものを。

ネットで見たあらすじだけ見るのではなく、ぜひ直接手に取って、読んでみてください。

読書をきっかけに、新たな興味や知識が獲得できると思います。

そういったものが巡り巡って、点数アップにつながるかもしれません。

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