読解の演習問題を添削していて不安になることのひとつに「問題文への線引き」があります。
問題本文の文章部分がそれほど汚れていない、つまり、ほとんど線引きがなされておらず、そして正答率が低い。
まあ、これは納得できます。
もっとしっかり読み込んでくださいね、ということです。
その一方で不安になるのは、ただの一本も線が引かれていないのに全問正解かそれに近いパターン。
正解の中には、当然、選択肢問題もあります。
選択肢問題で大事なのは、設問中のどの部分が本文と相違するのかを把握しなければなりません。
本文に何の目印も付けずにそれができるのか、できたのか。
書き抜きもほぼ全部合っているので、まさか当てずっぽうではないと思いますが、今後も安定的に高得点できるのかと、とても心配になります。
対して、本文が線だらけで思い切り汚されているにも係わらず、あまり正解していない場合。
過度の線引きや単調な線引きで、結局、ポイントが埋もれてしまっています。
たまに見かけるのですが、付箋を貼って重要ポイントがどのページにあるかの目印にしているのは良しとして、その付箋がほぼ全ページに貼ってある教科書や参考書。
付箋を貼ること自体が目的化してしまっていますよね。
これと同じです。
では、どのように線を引けば良いのでしょうか。
結局は線種や囲み方について、本人が決めたルールに従って施せば良いわけですが、そのルールをどうしたら良いかという例を示しますね。
ただし、物語文と論説文ではかなり異なりますので、ここでは物語文ついて。
・登場人物
・登場人物の境遇や事情、性格がわかる箇所
・登場人物の心情がわかる部分
・登場人物の心情の変化が分かる箇所気持ちの変化がわかる箇所
このようなところを囲んだり、決めた線種(実線、波線など)で線を引くと、マーキングとしてかなり役立つと思います。
なお、線引きに関して否定的な考え方も散見しますが、その方法が合っている人は極めて少数派だと思います。
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