こんにちは、児玉です。
実際には、「私は常々言っているのですが…」のところ、ミステリと言う勿れの久能整くん風味で言うと、「僕は常々思うのですが…」でしょうか。
算数あるいは数学や理科で出題される問題で、速さを問われる問題についてです。
ここでいう速さを問うとは、問題を解く速さではなく、速さそのものを計算する問題のことです。
算数や数学だと、ある人の歩く速さ、自転車の速さ、坂道を登る速さと下る速さを求めさせられたりしますよね。
連立方程式の応用問題では、電車の速さ(と全長)を問われることも多いですよね。
中学理科だと地震のP波・S波の速さがよく出題されますね。
そしてたまに、音の速さ、いわゆる音速も。
これらの問題を解いた生徒が自身で答え合わせ(○丸付け)したものをチェックしているとき、時々見かけるのが、間違っていたのでもう一度解いた様子の、しかも間違った時の答えがとんでもない数値のもの。
例えば、人の歩く速さが毎分200mとかなっている誤答。
毎分200mだと60分で12000mですから、時速12kmということになります。
一般に、人の歩く速度は成人男性で1分間に70~90mほどと言われていて、時速ですと4.2〜5.4km/hですので、上の12km/hはあり得なくはないですが、まあ、かなりのペースオーバーですよね。
軽いジョキングで6~8km/hぐらいだそうですし。
確か、トラック競技男子1万メートルの世界記録が28分を切るくらいだったはずですが、それだとざっと20km/h。
分速200mがそこまででないとしても、数学や算数の問題で出てくる、人が家から学校まで
歩く速さではないですよね。
また、電車の速さ(平均速度)では、新幹線でおおよそ120〜230km/h、JRの特急列車で50〜110km/h、JR在来線普通・快速列車で30〜90km/h、地下鉄で30〜75km/h 前後、路面電車で10〜20 km/h程度だそうですから、これを大きく外れる答えは誤答の可能性が出てきます。
中学理科の地震で出てくるP波・S波だと
P波 5〜7km/s
S波 3〜5km/s
くらいの間に収まっていれば、計算間違いや解法違いの可能性も少ないと思えます。
更に、音速は、近似的に温度のみの一次式で表すことができ、1気圧の乾燥空気では次の式が常用されています。
331.5 + 0.61 t (m/s) (ただし、t は摂氏温度)
従って、1気圧で0℃のとき音速は毎秒331.5メートルであり、温度が1℃上がるごとに音速は0.61 m/s速くなる。
理科では常温として15℃を採用することが一般的なので、その場合約 340(m/s)となりますから、これも同様に、答えの判定に役立ちそうです。
実は昨日、金属とその酸化物の質量比に関する質問を受けた際に、これと似たような話をしたのですが、出題者がこういう常識的な数値を「わざと」外れるように問題の初期設定を変えていたら話は別です。
しかし、統一テストや総合テストでそのようなことはまずないでしょうから、自分の出した答えが常識的な数値の範囲にあるかどうかを確認できるような余裕を持って試験を受けていただきたい。
それでは、また。
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