「記述問題がうちの子、どうしても書けないわ。記号問題なら書けるのに、記述問題になると空欄が目立つのよね・・・」
こんなお悩み、お母さんはお持ちではないですか?
または以前までお持ちだったとか、そんなことありませんか?
お子さんも、こんな愚痴を言っていたりしませんでしたか?
「こんな完璧な解答、作れるわけないよ・・・」
答え合わせをし、赤ペンで解答を写し、そして自信を無くす。
そして記述問題を書けなくなる。
これが記述問題「負のスパイラル」です。
記述問題が出来るようになるためのアドバイスで、次のようにアドバイスする塾の先生もいるそうです。
「記述問題は『慣れ』だ。とにかくたくさん解けばいいよ。」
ある一定レベルの子なら、これでいいでしょう。
しかし、本当に記述問題が苦手な子は、記述問題をやればやるほど負のスパイラルの沼にはまっていきます・・・
いわば負のスパイラルを強化していることになっています。
ではここで、お子さんの「書けない」という思いを深堀りします。
「なんとなく分かるけれど、上手くまとめられず、書けない」
こういう子、多いかもしれません。
問題文章中で、答えはこの辺なんだろうな、と、なんとなく分かる。
でも、まとめられないからどう書き始めていいか分からない。
そう、記述問題の苦手な子は書き始めをどうすればいいかで悩むのです。
スタートできなければ、当然書けませんよね。
しかし、そもそも書き始めをどうにかしようという考え自体が間違いです。
記述問題は語尾つまり文末から作っていくことが記述問題の鉄則です。
そして、その語尾に合うように言葉を付け足して膨らませていくのです。
これは、話し言葉では異なりますが、書き言葉においては原則みたいなものです。
ちょっと例を挙げます。
Q「顔を曇らせた『僕』はどんな気持ちですか?」
A「先生は委員長の意見は聞くのに、僕の意見は全く聞いてくれず、悔しい気持ち。」
こんな問題と答えがあったとしますよ。
さて、解答を作る際、「先生は・・・」から作り始めてはいけません。
が、多くの子たちは「先生は・・・」から作ろうとします。
なので手がストップするのです。
そこで、語尾から作るのです。
「どんな気持ちですか?」と聞かれているから、「○○な気持ち。」という語尾が決まります。
そして、その気持ちはプラスの気持ちかマイナスの気持ちか。
「顔を曇らせた」とあるから、マイナスの気持ちだろう。
さて、マイナスの気持ちが書いてある段落はどこだろう・・・
あ、この段落だ、ここに「悔しい」って書いてあるからこの言葉を使おう。
これにより、「悔しい気持ち。」と語尾が決まるのです。
次に、なぜ悔しい気持ちになったのか理由を探すのです。
たいてい同じ段落か近くの前段落かに書いてあります。
悔しいと書いてある段落を読んでみると、悔しい思いを深めていった過程が書いてあります。
・・・なるほどなるほど、先生が「僕」の意見を聞いてくれなかったんだな。
それが分かると「先生は僕の意見を全く聞いてくれず、悔しい思い。」と語尾から膨らみます。
ここまで書ければ、ほぼ〇です。
が、もしかすると文字数が足りないかもしれない。
解答欄がもっと広くてたくさん書かないといけないかもしれない。
そこで付け加えです。
付け加えにおいて便利なのは「対比」です。
「僕」と対比させられている存在は・・・おっ、委員長か。
なら「委員長は~~なのに、僕は・・・・だ。」みたいに書いてみよう。
コア=文末から決める。
コアを説明する理由部分を探す。
文字が足りなければ対比部分を使う。
そう、コア=文末から雪だるまのように膨らませていくのが記述問題解答作成の鉄則なのです。
しかし、教室で記述問題を直接添削していて、痛感します。
「書けない子ほど、文末からではなく書き始めから考えている。」
今の例においても、「委員長」から答えを作成するのは不可能ですよね?
しかし多くの子は、これをやってしまうのです。
これは、直接添削し、徹底的に個別で指導しないと直せないと思います。
決して「たくさん解いて慣れろ!」では直りません。
以上、記述問題の解法【基礎編】でした。
細かい応用はまだまだ多くあります。
が、この文末から始める雪だるま方式だけでもかなり役に立ちます。
解答作成のアプローチを正しい方向へ矯正できるだけでも書けるようになります。
あとは、書けるようになるまでしつこく「雪だるまだぞー」と声を掛けるのみです(これが一番大変かも(^^;)
最後に。
「文章の言っていることがそもそも分からない!」という子。
こういう子は、ええと、まずは語彙の本とか買って覚えないといけませんね。
プラス教科書の音読や書き写しです。
半年ほど時間はかかりますが、半年で効果は出てきます。
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