国語の語彙力講座vol.1 ~メディア~

国語の勉強法

中3生の国語読解問題で、面白い問題があったので、紹介します。

※一部、変更してあります。





(以下本文)

「メディアはメッセージである」という言葉は、今も生きています。あなたがデジタル以外のメディアを選べば、その選択のうちに、あなたのメッセージがこめられます。手書きの封書で書けば、それはあなたが真心をこめて書いたというメッセージなのです。

※外岡秀俊「発信力の育て方 ジャーナリストが教える『伝える』レッスン」より

(問)「メディアはメッセージである」とは、どういうことか。三十字以内で書きなさい。





おぉ・・・。

なかなか、中学生には難しい、いや、大人でも難しい問題かもしれませんね。





今回の文章のキーワードは、「メディア」。

この「メディア」という言葉に対して、誤った認識を持っていたり、そもそも知らなかったりすると、正答することが難しくなっていきます。





ではここで1つ質問です。





「メディア」と聞いて、思い浮かべるものは何でしょう?





この問題を解く中学生3年生にも、同じ質問をしてみました。

主な回答は、以下です。

・テレビ番組
・ニュース番組
・ネットニュース
・新聞

いかがでしょうか。

このブログをお読みの方もきっと、「メディア」と聞いて、これらを思い浮かべたのではないでしょうか。

実は、ここに大きな誤解が生じています。





上で挙げられたものたちは、確かに「メディア」の内の「1つ」です。

しかし、これらのメディアはどれも、「大衆に向けて一方的に情報発信をするメディア」=「マスメディア」です。

しかも、新聞を除けばどれも、「デジタルメディア」に偏っていると言えます。

つまり、「メディア」=「デジタルのマスメディア」というイメージを持っている中学生が多いと言えます。

この状態で問いに答えようとすると・・・





「メディアを選択すると、メッセージが込められる??私たちが受け取る側なのに??」

「手紙がメディア??他の誰も読まないのに??」

こんな疑問が湧いて、全然答えがまとまらなくなってきます。

これは、一大事ですね。





そこで、お子さんのモヤモヤをスッキリさせる、ワンポイント講座です!





「メディア」とは。

私たちが情報伝達のために使う手段「全般」を指す言葉です。

仮に受け取り手が限られていたとしても、私たちが何かを伝えようと用いた、その手段こそが、メディアなのです。

テレビ番組や、ネットニュース、新聞、雑誌といったマスメディアだけでなく、手紙も、電話も、電子メールも、LINEも、Twitterも、Instagramも、メディアなのです。

そして、あなたがどのメディアを選んで相手にメッセージを伝えるか、その選択そのものに、あなたのメッセージが込められる、ということですね。





甘酸っぱい例えを出すならば。

もしあなたが、好きな子にメッセージを伝えるなら。

手紙を書きますか?

LINEで送りますか?

電話しますか?

どれでも構いません。

その選択に、あなたのメッセージが込められます。





ここまで読んだあなたならば、きっと初めの問いに答えられるでしょう。

もう一度読み上げます。

(問)「メディアはメッセージである」とは、どういうことか。三十字以内で答えなさい。

バッチリ、答えられましたね?

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