今年の入試分析は、今後を占うという意味で大変興味深いデータが取れました。
ずばり、2019年との比較です。
まずは、今年2023年から2019年までの過去平均点、過去5年分・10年分・2010年以降の平均点を掲載します。
国語 | 社会 | 数学 | 理科 | 英語 | 合計 | |
2023年 | 59.3 | 41.9 | 44.4 | 50.8 | 50.2 | 247 |
2022年 | 54.7 | 39.9 | 47.2 | 53.5 | 39.9 | 235 |
2021年 | 60.1 | 48.0 | 48.6 | 51.2 | 46.1 | 254 |
2020年 | 50.0 | 43.9 | 40.0 | 48.1 | 45.3 | 228 |
2019年 | 54.5 | 57.9 | 49.6 | 55.6 | 48.7 | 266 |
過去5年平均 | 55.72 | 46.32 | 45.96 | 51.84 | 46.04 | 246.0 |
過去10年平均 | 54.87 | 47.95 | 47.07 | 50.79 | 49.04 | 249.8 |
2010年以降平均 | 54.864 | 48.757 | 47.636 | 51.650 | 50.264 | 253.214 |
次に、人数分布表を書きます。
これは2023年から2019年まで書きます。
0~49 | 50~99 | 100~149 | 150~199 | 200~249 | 250~299 | 300~349 | 350~399 | 400~449 | 450~ | |
2023年 | 0.2 | 5.8 | 11.2 | 16.6 | 16.8 | 15.9 | 16.9 | 13.2 | 3.2 | 0.0 |
2022年 | 0.5 | 6.2 | 12.5 | 17.5 | 18.2 | 16.4 | 18.1 | 9.6 | 1.0 | 0.0 |
2021年 | 0.3 | 6.2 | 9.8 | 13.5 | 18.6 | 18.1 | 18.8 | 13.8 | 2.6 | 0.1 |
2020年 | 0.9 | 7.5 | 12.3 | 19.0 | 18.1 | 16.9 | 17.5 | 7.2 | 0.7 | 0.0 |
2019年 | 0.3 | 4.7 | 8.1 | 10.9 | 15.7 | 19.7 | 20.3 | 16.9 | 3.4 | 0.0 |
最注目してほしい数値には赤でチェックしました。
準注目してほしい数値には黄色でチェックしました。
準々注目してほしい数値には青色でチェックしました。
では、分析します。
今年2023年と2019年では、平均点に20点以上の差があります。
つまり、今年の入試の方が難易度が高かったといえます。
なのに、です。
400点を超える層の比率が3%少々と同じくらいの数値である。
つまりこれはどういうことか?
今年の上位層は実力が高いということです。
違う書き方をすればこの5年間で上位層が分厚くなった、レベルアップしたということです。
黄色は、%の数値が一番大きいところ、つまり最頻値です。
平たく書けば「最も多くの子が取っている点数層」です。
これも2023年と2019年においては300~349点の層となり、同じ層なのです。
これは2023年は中上位層が底上げされた、レベルアップしたことを意味します。
200点未満の層は、平均点が低い2023年の方が分厚くなっている。
平均点の低下相応に200点未満の層が増えたといえます。
200点未満は「勉強が苦手な層」と書いてもいいかと思います。
平均点の低下相応に勉強が苦手な層が分厚くなった、つまり勉強が苦手な層は2019年のままのレベルということです。
赤・黄・青の3色から分かること。
中上位層が伸び、勉強が苦手な層はそのままだった。
つまりこの5年で二極化が大きく進んだことを意味します。
泉丘高校・二水高校・桜丘高校・錦丘高校・そして国立の金大附属高校・石川高専。
私立であれば星稜高校、金沢高校、特進コースの北陸学院。
上位校への合格は熾烈な争いになるということです。
「子どものやる気が出るまで待つ」
「部活終わってからでもいいかしら」
その待っている間に、二極化は年単位で進んでいます。
これが現代の石川県高校入試の現状です。
私たちは金沢市内にのみ教室を展開しているので、まずは金沢市の方にこの危機感を本気で理解していただきたく、ブログで今回書きました。
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