学力のすそ野を広げる、という学習は塾に必要なのか?

学力のすそ野を広げる学習とは?

一番わかりやすい例は、英語の授業で見たことがあるでしょう。

英語の先生が洋楽のCDを持ってきて、生徒たちに聞かせる。

つまり、音楽から英語の勉強に興味を持ってもらおう、と。

すそ野を広げる、というと大げさかもしれませんね。

生徒に勉強への興味を持ってもらう活動、ですね。





他には何があるかな?

歴史のテレビ番組や映画を見てもらうとか。

理科の不思議みたいな映像を見てもらうとか。

恐竜図鑑みたいなDVDを見てもらうとか。

英語の歌を歌って踊るとか。

簡単なところでいえばこういうところですかね?





こういうの。

小学校低学年なら楽しんでくれます。

が、学年が上がるにつれ、楽しんでくれなくなります。

中高生なんて、こんなこと授業でしたら白けますよね?

私も中学高校の学校授業を思い返し、あの時教室を吹き抜けた冷たい空気を思い出しました。





先生がウキウキにCDやDVD(当時はVHSでしたね)を持ってくる。

が、まぁ・・・これが大していい音楽でもなく、退屈な映画だったりするのです。

今思うと、これがジェネレーションギャップなんでしょうね。

かといって、生徒に寄せてくる先生も若干面倒くさい。

今だったら、WBCの映像を見せてスポーツの素晴らしさを語る、という感じでしょうか?

いや、WBCの侍ジャパンは素晴らしいですが、別に授業で先生が言わなくても・・・という空気になるのです。





学力のすそ野を広げる活動は、どうやら不要のようですね。

「塾なんだから、まずは点数を上げてくださいよ!」

「そんなことより、勉強のコツとかテクニックとか、裏ワザとか教えてくださいよ」

「合格のための心構えとか、そういう結果にこだわる精神論なら」

やはり結果が一番に求められますよね。





では、やはり学力のすそ野を広げる学習や活動は必要ないかといえば、必要なのですよ。





一番必要になってくるのは、国語です。

これは間違いないです。





上に、VHS、と書きましたよね?

今の学生にはDVDかブルーレイしか分かりません。

ビデオテープ? ビデオデッキ? ダビング?

3倍録画は画像が汚くなるってどういうこと???

爪を折ったら重ね撮りできない・・・どういう意味?

黄色と白と赤の線をテレビにつなげる?HDMIじゃなくって???

こんな学生がほとんどでしょう。





では、このビデオの時代の問題が出ないかと言えば、出るのです。

日常の風景にビデオが出てくる国語の問題、出るでしょう。

黒電話だって出てきますよ。

ガラケーすら歴史の遺物になりそうな感じですが、公衆電話、電話ボックス、お店にあるピンク電話、PHS、ポケベル・・・

国語の問題の出題元となる歴史的文学は、時代に合わせてアップデートしてはくれません。





ちょっと話が広がりすぎました。

要は、国語というものは、広い意味での「教養」が最後には必要になります。

教養は、コツやテクニックでは身に付きません。

そういうものの外側の活動によって身に付きます。

先生がお勧めする映画や小説を見たり、音楽を聴いてみたり。

回りくどくなりましたが、そういう勉強も最後の最後には国語点数アップには欠かせない、ということをぜひ覚えておいていただきたいです。

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