こんにちは、金沢市国語塾です。
このブログでは、何度か小中学生の語彙不足について触れています。
確かに小中学生の語彙は不足しています。
しかし、語彙不足と切り捨てられない場合もあります。
中学2年生用の国語読解教材のある問題で、次の単語が出てきます。
暗室 現像 露出 丹前 両切
ここを読みに来てくれた生徒の親御さんでも、小学生の親御さんだと、もしかしたら、どの単語も分からないかもしれませんね。
上の五つの単語は、注釈が付いていません。
文中に出てくる固有名詞で、ペンタックス、ライカ、キャメルには注釈が付いていますが、上の五つの単語の内、特に「暗室」「現像」の意味がわからないと、設問に答えるのが難しいのです。
実は、今日、この問題の添削をすることがあり、「誰がどこで何をしているのか」という問いに、その生徒は何も答えられなかったのです。
文中「暗室にこもった」という表現があるので、「暗室」の本当の意味がわからなくても「どこで」はわかったようなのですが、「現像」が何をすることかわからなかったので、あとが続きませんでした。
説明をしようと、念のため「フィルムというのはわかる?」との問いかけに、「わからない」と。
説明の足掛かりとなる言葉から説明しなければなりません。
デジカメやスマホと違って、以前は化学反応を利用して・・・・・というところから始めて、現像、暗室の説明にたどり着きました。
今回のこの様子を単に語彙不足で片づけられるのか……
甚だ疑問です。
あくまで私見ですが、このようなことは所謂「ジェネレーションギャップ」に起因するものだと思います。
演習問題の出題者と問題を解く生徒との世代の差。
出題者は自分基準の常識として「いくらなんでもこの言葉は知っているだろう」と思い込んで、注釈を付けなかったのだと思いますが、逆に今の中学生は、常識以前に、そのような物を見たり触れたりすること自体がないのですから、知らなくても非常識ではないのです。
演習問題に取り上げられていた文学作品は昭和時代が舞台です。
中学生の親御さんの生まれは昭和末~平成初期と思われますから、昭和を舞台にした文学作品に登場する生活様式自体、あまり知らないのではないかと思います。
親も知らないのですから、その子どもが親から知識を得るのも難しいでしょう。
中学生向けの国語読解で文学作品を取り上げるときは、なるべく今の中学生がわかる時代を背景にしたものでないと、注釈だらけになると思います。
今回は、生徒の言葉の知らなさを擁護する記事となりましたが、それでも「知識のアンテナを張り巡らせて、どんなソースからでも知識を吸収する」と日頃から心がけておかないと、読解問題に困ることもあり得るということです。
では、また。


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