国語読解 作者の主張 出題者との食い違い

国語読解塾

こんにちは、金沢市国語塾です。

先日、某テレビ番組のアーカイブを観ていたとき、ある作家が自身の著作物が入試に取り上げられたときの面白いエピソードを話していました。

たぶん大学だったと思いますが、入試問題に使わせてもらったので、その御礼と共に問題が送られて来たそうです。

作家に問題が送られてきたのは、入試が終わってからだと思いますが、事前に連絡は無かったそうで、作者の許可無しに載せるのかと、そいういうことにも驚きましたが、問題漏洩を防ぐためもあるのでしょう。

そこで、その作家は送られてきた問題を解いてみたそうです。

何問か解いた後、選択肢問題に行き当たったそうな。

その問題は、「作者の主張は次のうちのどれか。」というもの。

驚いたことに、いくつかの選択肢の中に作家自身が伝えたかったことを書いてあるものが無かったそうです。

番組でその作家は面白可笑しく話していましたが、他の作家や評論家で同じことが起こると、二度と自分の作品は使ってくれるなと抗議する人もいるかもしれません。

さてみなさん、このようなケースではどのようなことが考えられるでしょうか。

  1. 問題作成者が作者の主張を捉えられなかった、あるいは曲解した
  2. 作者が自身の主張をうまく伝えられないような文章を書いてしまった
  3. 作者はその主張を行間に埋め込んだが、出題者は文面通りに解釈し出題した
  4. 問題に引用された文章が著作物の一部分であるため、題意と作者の思いにずれがある
  5. 話を盛るため、この話自体に誇張がある

まだ他にもあると思いますが、理由は置いておいて、問題はこのような入試問題の評価です。

「入試問題たり得ない」のでしょうか。

もし設問のとおり解こうとすると、「正解肢が選べない」、「正解肢が存在しない」、「正解肢と思えるものが混在する」なら問題です。

その場合、入試問題にミスがあったということで、大なり小なり騒ぎになるでしょう。
解答不能ということで、問題無効で配点から外されるか、全員に加点措置が取られることでしょう。

しかし、もしそのような問題が起こらなかったとしたならば、該当問題は読解問題として機能していることになります。

話の焦点がぼやけてしまいましたが、何が言いたいかと言うと、国語読解問題は、取り上げた文章が載っている作品全体にわたる作者の主張はどうでも良く、また問題文章中の行間に秘められた作者の思いがあろうとも、あくまで問題文章の文面から読み取れる要旨こそが問題になり得るのです。

番組出演の作家のケースについては、実際の問題を見てみないと何とも言えませんが、問題が正しく機能しているなら、それで良いのです。
それで問題は起きないのです。
正解の根拠が問題文章中にあれば良く、国語読解の問題とはそういう性質のものです。

ところで、同じ番組の中で、別の作家(評論家だったかも)が別のケースの話をしていました。

同じく、大学の入試問題に取り上げられ、文章中に漢字の誤記があったそうです。

出題者は、「この漢字は本来□□と表記されるが、作者があえてこの漢字を選んだ意図を文中から読み取って答えよ。」という問題を作ったそうです。

なかなか面白い問題ですが、この話のオチも面白いものでした。

この漢字の誤記は、単に漢字変換フロントエンドの「変換ミス」であって、誤字のまま編集・校閲を通ってしまって出版されたのであって、「作者の意図など無い」が正解でした。

ここまで読んで、どの番組だったかわかる人、いらっしゃいますか?

それでは、また。

コメント