「国語が苦手なんです。」
保護者の方から、よく相談を受けます。
では、なぜ国語が伸びないのでしょうか。
私は、だいたい次の5つのどれかだと思っています。
・問題文、設問を丁寧に読んでいない
・詰めが甘い
・解き方が身についていない
・語彙力が足りない
・世界観がない
もちろん、一つだけとは限りません。
二つ、三つ重なっている子もいます。
中には全部当てはまる子も……。
ただ、この5つには大きな違いがあります。
上の3つは、比較的短期間で改善できます。
問題文を丁寧に読む。
見直しをする。
国語の解き方を身につける。
どれも練習次第で変えられる部分です。
語彙力も、一朝一夕ではありませんが、
毎日の積み重ねで少しずつ伸びていきます。
でも、一番時間がかかるのが最後の「世界観」。
私はこれが、国語という教科で最も大切な力の一つだと思っています。
では「世界観がない」とはどういうことでしょうか。
先日、小学5年生にこんな物語文を解いてもらいました。
主人公は、恋愛感情に目覚め始めた男の子。
好きな女の子の前で格好をつけようとします。
でも、小学5年生ですから、その格好のつけ方が何とも不器用。
急に無口になってみたり。
偉そうな態度を取ってみたり。
気になって、ちらっと女の子の様子を見てみたり。
ところが、その女の子は主人公のことなど気にもせず、自分の好きな絵を描き続けています。
主人公は何とか気を引こうとして、
目の前にいた蛾を叩いて見せます。
「強いところを見せれば振り向いてくれるかも。」
そんな幼い発想だったのでしょう。
でも、もちろん女の子には全く伝わりません。
……という、男子が撃沈したお話です笑。
さて、この物語。
主人公の気持ちを正確に読み取れた子と、まったく読み取れなかった子が、きれいに分かれました。
私は、この差は読解テクニックの差ではないと思っています。
「好きな子の前では、格好をつけたくなる。」
そんな気持ちを想像できるかどうか。
つまり、知識や経験が積み重なって作られる「世界観」の差なのです。
「世界観」は何も恋愛のお話だけではありません。
・恋愛感情
・スポーツ
・仕事、職業
・家族
・季節
・昔話
・歴史
・行事
・文化 等々
「世界観」とは「人間や社会についての一般教養・常識・経験の総体」です。
人の気持ちを想像する力。
スポーツのルールや世の中の常識。
日本の文化や季節の行事。
そうした「世の中をどれだけ知っているか」ということです。
ちょっとここで、私の即興で作った会話文を。
関西弁で脳内再生してください。
「おれもこの春から高校生やー」
「せやなー、部活、どこ入るん?」
「野球部や!」
「おお野球かー、ええなー!!」
「目指せ国立競技場!っちゅうことで」
「それサッカーや!野球はちゃうやろ!!」
「せやせや、違ったな。目指せ両国国技館!!」
「綱取りする気か!?野球といえば甲子園や!」
「ああ、甲子園やったなー」
「全国の球児の憧れやろ!!」
この会話、
野球を知らない人には、何が面白いのか分からないでしょう。
でも、高校野球などを知っている人なら、
思わずツッコミたくなります。
これが「世界観」です。
だから私は、「本を読みなさい。」と言うだけではありません。
映画も見なさい。
スポーツも見なさい。
旅行にも行きなさい。
色々な人と話しなさい。
色々な経験をしなさい。
その一つ一つが、国語の点数になります。
夏休みは、お子さんの世界観を磨くための良い時間だと思います。

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