こんにちは、金沢市国語塾です。
このブログでいつも言っていることですが、
「語彙力が不足しているために、読解問題が解けない。」
という問題があります。
なまじ「語彙力」などという言葉を使うから、逆に問題を矮小化しているような気がしてなりません。
あまりに酷すぎる「言葉の知識不足」
国語読解問題の添削などをしていると、「こんな言葉も知らないのか。」と愕然とすることばかりです。
「語彙力が無い」以前の「言葉を知らなさ過ぎ」という表現のほうがぴったりです。
国語の問題集に出ている文章で、その学年だと知らないであろうと思える言葉や、少し専門性が高いために知らなくても仕方がないと考えられる言葉には、たいてい、注釈が付いています。
ということは、「注釈が付いていない言葉はすべて知っているもの、分かるもの」として作問されていることになります。
さらに恐ろしいことに、注釈文の中の言葉の意味が分からず、注釈文があってもその言葉の説明が分からないということもあります。
これで、読解問題が解けるわけがありません。
というわけで、ここでは、陳腐な言い方になってしまいますが、「語彙力を身につける」ということを考えてみます。
語彙力を身につけるには
語彙力を身につける方法を提案するとき、よく「インプトット」「アウトプット」という言葉を用いて説明します。
この「インプット・アウトプット」という言葉ですが、便利な言葉であることは間違い無いのですが、なんだか流行り言葉のような気がしています。
人間の脳は、単なる入れ物でも機会でもないので、日本語の中に混ぜて使うのはちょっと違うのではと思うのですが、それこそ、こちらの語彙不足でしょうか……
話が少しそれてしまいましたが、そういうことなので、ここでは別の言い方で説明します。
語彙力を伸ばすということを、別の言い方で言うと、「言葉を習得する」かと思います。
言葉を習得する方法
では、言葉を習得するためには、どうすれば良いでしょうか。
当然ですが、自分が知らない言葉を見聞きする機会を作らなければなりません。
国語辞典を隅から隅まで読んで覚えるわけにもいかないでしょうから、やはり、いろいろな方法で、新しい言葉を積極的に収集しないといけません。
それには、本や新聞を読むことです。
読書ももちろんおすすめですが、新聞の社説、コラム、ニュースサイトのWeb記事など、比較的短い文章から始めるのも良いと思います。
小説とは異なり、事実や論理的な文章に触れることで、専門用語や硬い表現、慣用句などを効率よく学べます。
幅広いジャンル(経済、科学、文化など)の記事を読むのが肝ですね。
また、 会話やメディアから学ぶのも良いでしょう。
テレビやYouTubeのニュース、教養番組、解説動画などを「ながら聞き」ではなく、意識的に聞いてみます。
新聞のように記録されている紙媒体を見るのとは違い、テレビのニュースや動画の場合、文字も出ますが、主には音で聞こえたものが消え去っていくのですから、気になる言い回しや、意味が曖昧な言葉が出てきたら、その場でメモして後で調べることが大事です。
辞書でもネット検索でも良いです。
自分で調べてください。
そうして言葉の意味が十分に分かれば、新しく知ったその言葉を自身で使うことも大切です。
覚えた言葉を定着させるために、「使う」機会を増やしましょう。
日記に書いたり、会話で使ったり・・・
最近は日記を付ける人もあまりいないでしょうから、SNSやメールで使うということになりますでしょうかね。
とにかく、自分で使って初めて「言葉を習得した」ことになると思います。
まとめ
国語を教えていて感じる事のひとつに、「言葉を知らない」ということを大した問題ではないと思っている生徒が多いという事があります。
「言葉を知らない」ことを恥ずかしいと思う心がなければ、語彙が増えていくはずがありません。
日々勉強・日々精進・日々成長
それでは、また。


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