こんにちは。金沢市国語塾です。
連日、国語読解テストや演習問題の答案の見直し方や統一テストに向けた対策などの話題を取り上げてきました。
今日はちょっとだけ本題を離れて。
国語の問題集を「読み物」として使う
国語の問題集などの教材を使って演習するとき、解答者はそのテキストに載っている文章を、問題に付随する添付資料のような感覚で捉えていることが多いのではないでしょうか。
まあ、筆者の偏見かもしれませんが……
だとすると、それはそうでしょうね。
限られた時間で、設問に答えなければならないのですから。
そこで、問題を解かずに問題の本文(文章)だけを読むということを想像してみてください。
国語の問題集に載っている文章のジャンルは多岐にわたります。
- 小説や随筆・詩などの文学的作品の引用や抜粋
- 論説文の一章、あるいはその一部
- 有名な古典作品(物語・随筆・日記)からのもの
- 中国古典(歴史書・思想書)を出所とする漢文
問題集で、今まで読んだことのない作者の作品に初めて触れることも多いと思います。
問題集に載っているのは、その作者の代表作であったり、そうでなくてもその作者の特徴を醸し出している小作品であったりしますので、短い文章であっても、その作品の世界に引き込まれてしまうような文章がいっぱいあります。
ちょっとの間だけですが、文学作品に浸る時間となります。
論説文からの抜粋は、自然科学物であったり、社会問題や時事評論からであったりしますが、どれも「なるほど」と思うことばかり。
自分の知らない事実や考え方などを知る機会になります。
日本の古典作品は、美しい和語や繊細な表現の宝庫です。
そのうえ、時代を超えた人間の普遍的な感情や葛藤というものを感じる取ることができます。
漢文は教養の塊です。
淀みない書き下し文のリズムは秀逸ですし、その内容はとても意味深い。
故事成語の出典を知っているのは素晴らしい事ですしね。
文章だけではなく、巻末資料や漢字表もたいへん役立ちます。
保護者の方が読んでも、勉強になると思います。
結構知らないことが載っているのではないでしょうか。
国語教材は知識と常識の源泉
問題を解くとなると、対象学年を意識した国語教材を使って演習に取り組まないといけませんが、知性を磨く書物としては、自分の学年と離れた学年の教材でも良いです。
むしろ、自分の学年のものではないほうが良いかもしれませんね。
手元にある、過去、自分が使った国語の問題集を、一度、問題を解かずに読んでみませんか。
お母さん、お父さんもお子さんの国語の問題集を「読み物」として読んでみてください。
国語の面白さ、日本語の素晴らしさが分かると思います。
現場からは以上です。
それでは、また。


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