国語の公立入試と金沢市統一テストはどう違うのか?

国語の勉強法

こんにちは。金沢市国語塾です。

気が付いたら、10月になっていました。

月日が経つのは早いものです。

中学3年生にとっては最初の山場となる、第1回金沢市統一テストまであとおおよそ1か月。

統一テストの問題は、おおよそ公立入試と似たような難易度、問題が出題されます。

が、国語は問題構成が大きく異なります。

今日はそんな金沢市統一テストと公立入試において、どういう違いがあるのか、どういう対策が必要なのか、ということを書いていきます。

平均点の差異

まず、平均点が大きく違います。

以下に直近3年分の平均点を載せます。

公立入試第1回統一第2回統一
2024年度54.74751
2023年度67.24554
2022年度59.35255

ちょっと分かりにくいかもしれませんが、2024年度=昨年度中3生が受験したテスト、のように思ってもらえれば大丈夫です。

このように、公立入試と比べても低いことが多いです。

「平均点が低いということは、統一テストの方が難しいの?」

と思う方もいるかもしれません。

が、難易度にはそこまで大きな差はありません。

ではなぜ平均点に差が出るのか。

問題に慣れていないゆえ、ということもありますが、大きな原因は問題構成の違いによる差にあると考えています。

問題構成の違い

では、実際どのように違うのでしょうか?

細かい違いも含めればいくつかありますが、今回は大きな違いを2つ書きます。

作文問題の出題がない

まず、一番大きな違いは、作文問題が出ないこと。

おそらく、学校ごとでの採点の振れ幅をなくすためだと思われます。

統一テストの採点は各中学校の先生が行います。

他の記述問題であれば、「この語句が入ってないから×、この部分に触れていないから×」というように、ある程度の基準は設けることができます。

が、作文問題は採点基準を定めるのが難しく、各先生の裁量次第になってしまいます。

学校ごとに採点基準がバラバラになってしまうのは問題なので、作文は出題されないのだと思われます。

作文が出題されないのは、苦手な子にとってはありがたい、と思うかもしれません。

ですが、これが平均点を下げている大きな要因です。

というのも、作文問題は案外得点しやすのです。

書けさえすれば、よほどのことがない限りそれなりに点数が取れます。

10点満点を取ることは難しくても、6,7点であれば取るのはそこまで難しくありません。

ひどくても3,4点はとれるでしょう。

例えば、お子さんの石川県総合模試の結果を見てみて下さい。

白紙だったり、時間が足りずに字数が足りなかったりした場合は別ですが、書けてさえすればそれなりの点数がもらえているはずです。

作文問題がない、ということはこの点数を丸々失うことと同じです。

なので、入試と比べても平均点が下がりやすくなります。

大問ごとの問題の増加

作文がなくなる分時間がかからなくなる、と思われるかもしれませんが、そうはいきません。

統一テスト後、「時間が足りなかった」とこぼす受験生は毎年います。

作文が出ないのに時間が足りなくなるのは、大問ごとの問題数が増えるからです。

大問構成自体は、作文がなくなっただけで大きく変わるわけではありません。

大問1 漢字の読み書き
大問2 説明文読解
大問3 小説文読解(2,3は前後する場合もあります)
大問4 古典読解

このうち、大問2,3で問題数が増えます。

入試ではそれぞれ大体6~7問ですが、統一テストでは9~12問に。

主に文法問題、漢字、語彙に関する問題が増えます。

特に文法問題は、昨今の入試においては出題されない年も出てきましたが、統一テストではほぼ必ず3~4題は出ます

例えば、去年の第1回統一テストでは

・「ある」と同じ品詞のものを選ぶ
・「~よう」の分類
・文中の被修飾部を答える問題
・「まともに」の品詞名を答える

の4題が。

令和5年度の第1回では、

・文節の関係
・文の単語分割
・「驚く」の活用形

と3題の出題がありました。

確実に解いて、得点源にしておきたいところです。

入試でほとんど出ないからと言って対策を怠ると、痛い目にあいますよ。

また、記述問題も増加します。

短めのものから40字以上の長めのものまで、2~3題は入試より多くなっている印象です。

昨年度ですと、第1回では40字以上の記述は計5題、20字前後の短い記述は2題、計7題の出題です。

ちなみに昨年度入試だと、40字以上の記述は4題、30字の記述が1題の計5題。

入試と比べると、長めの記述、短めの記述が1題ずつ多く出題されました。

記述問題はどうしても時間がかかってしまいます。

2問増加する、ということは、それだけかかる時間も増えてしまうのです。

結果、ペース配分を乱されて、時間が足りなくなってしまう。

そういうわけで、時間が足りなかったと訴える受験生が続出するのです。

どのような対策が必要か?

ここまで、公立入試との違いを書いてきました。

ここからはどういう対策が必要か、ということを書いていきます。

といっても、文章題については、特別にテキストを買って、ということは必要ありません。

日頃、文章題の練習を続けているのであれば、それを継続してください。

より実戦的に取り組むのであれば、時間を計りながら行うといいです。

使用している問題集にもよりますが、1問あたり10~15分程度を目安に解き切れるようにしましょう。

各中学校が過去問の配布もしてくれるはずですので、慣れてきたら、その過去問で力試しです。

経験を積み重ねて、力をつけていきましょう。

一方、文法はよく確認しておかないといけません。

特に狙われやすいのが、助詞助動詞の分類

「の」「~だ(た)」「~れる、~られる」「~ない」などは引っ掛かりやすく、問題も作りやすいので要注意です。

文の文節分け、単語分けも改めて確認しておくとよいです。

品詞の分類を習って初めて、なぜそのように分けられるのか、ということが腑に落ちると思います。

この1か月間でよく復習して、不安をなくしておきましょう。

まとめ

・統一テストは公立入試と比べて平均点が低くなりやすい
・傾向について、しっかり理解しておく必要がある
・文章題の演習を続け、力とつけていくことが大切

統一テストは、その結果だけで進路を左右するものではありません。

ですが、志望校の決定基準として、大きな意味を持つテストです。

どのようなテストかを知ることが、高得点をとる始めの一歩となります。

今回の記事を読んでいただいたお母さんお父さんの、統一テストに向けての不安が少しでも解消できることを祈っております。

maru塾では、統一テストの過去問演習についても、すべて添削、解説いたします。

もし、国語について少しでも不安を抱えているのであれば、どうぞご相談ください。

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