令和6年3月6日、石川県公立高校入試の1限目に実施された「国語」について、早速、問題を分析しました。
大問1 漢字の読み書き
読み4題、書き取り4題で例年通り。
■いずれも簡単な漢字であるが、「綻び」が読めない生徒がいるかもしれない。
大問2 文学作品より
阿部暁子「たぬきとキツネと恋のたい焼き」より、以下の内容で設問されている。
・場面分け
・心情の選択
・漢字の部首
・文法
・文意の選択
・理由の記述
・複数段落の要約
■どれも難易度は高くないが、理由の記述と段落の要約においての採点基準が懸念される。
大問3 論説文
市橋伯一「増えるものたちの進化生物学」より
・接続詞の選択
・理由の選択
・段落の役割(選択)
・熟語の成り立ち
・熟語の選択
・キーワードの抽出
・要旨のまとめ
■設問7の要旨をまとめる問題は、一般向けに編集されているとはいえ、 研究者専門分野に関する著書からの抜粋であるので、やや高い難易度と感じてしまうのはいたしかたないところであろう。それ以外は、それほど難しい問題ではなく、標準的と言えよう。
大問4 古文
「伊曽保物語」より
・主語の判別
・現代仮名遣いに変換
・意味の選択
・会話文の抽出
・鑑賞文の穴埋め
■近年の古文の出題形式を踏襲したもので、受験生は過去問等で見慣れているはず。
古文としては易しいと思うが、古文を苦手とする生徒にとっては相変わらず「やや難」といったところか。
大問5 課題作文
「国語に関する世論調査」という文化庁の調査結果資料(グラフ)を題材に、自分の意見や体験を含めて書く。
■いつもの200字課題作文であるので、特に戸惑うことはないであろう。
自分で設定した時間内で書き上げられれば問題ない。
★総合評価
全体的な難易度としては、「易~やや難」であると思われるが、これは日頃から国語を重点的に指導しているため、そう感じるのかもしれない。
令和5年度の金沢市内統一テストでも、第1回、第2回とも同様の印象を持ったが、市内平均点はその予想をかなり下回ったので、このテストももしかしたら例年より平均点が低いかもしれない。
そうでないことを願ってはいるのだが…。
コメント